映画・DVD「黙秘」2007/04/30 18:00

老女を殺した母親と記者の娘の物語。

女性記者にFAXで母親が
メイドとして働いていた家の老女殺人の
容疑者になっていると連絡が入る。
長い間、彼女は母親に会っていなかった。
久しぶりに再開した二人。
二人の間には、微妙な隙間があった。
それは、母親が、かつて父親殺しの容疑者になっていて、
当時、彼女達は周りから冷たい仕打ちをされて…。

父親殺し、老女殺しの謎と
母と娘の関係の変化
という2つの要素を持つ映画でした。
2つの殺人は、母親がやったのか?
刑事の質問に対する母親の受け応えが、
どうにでもとれるので、
母親がやったのか、やらなかったのか、
全く分かりませんでした。
また、母親が刑事に毒を吐くので、
母親が自身が不利な状況を作ってしまい、
ハラハラさせられました。

最初の方の娘と母親のやり取りを見ると、
とても痛かったです。
なんで、こんなにいがみ合っているんだろうと。
その関係もだんだんと変化していきます。
劇的に変化したのは、
やっぱり母親がある物を娘に渡した時ですよね。
この後の物語の流れは好きです。

父親殺しを担当し、今回の老女殺しも担当する刑事は、
人間の汚い部分が出ていましたね。
父親殺しで、母親に有罪に出来なかったために、
今回の事件も、その時の恨みとばかりに、
母親に迫ってましたね。
娘にも嫌味たらしくしてましたね。
バーのシーンは、本当に憎たらしかった。
刑事が登場している最後のシーンでの
彼の顔の変化には嬉しくなり、
気持ちが良かったです。
自分にも人間の嫌な部分がありますね…。

母親は娘が良ければいいと何回か言っていました。
だからと言って、自分が犯人にされそうなのに、
娘の事ばかり、気使ってました。
直接、娘本人に言うのは
外国だからなのかなと思っていたのですが、
これはこれで、ちゃんとある理由があったんですね。
あのような出来事があれば、こうなるのも当然ですよね。

いろいろな謎が解けた時、
母親の本当の人物像が現れました。
これには…。
悲しいですねぇ。

良かったです。
原作がスティーブン・キングだったので、
恐いのかなと思っていたのですが、
恐くはありませんでした。
この映画は母親と娘の絆を描いた物語ですよね。
家族っていいですねぇ…。