映画「電話で抱きしめて」2005/12/15 23:06

父親の入院で父親との関係を考える女性の物語。

見ていて、切なかったです。
胸が痛かったです。

父親の物忘れがどんどん進んでいき、
父親本人が自分がボケている事を知った時の
主人公の顔がとても悲しかったです。
もう嫌ですね。こっちも悲しかったです。

父親と主人公が
クリスマスツリーを買いに出掛け、
雪降る中、父親が主人公を抱きしめているシーンは、胸にきました。
このシーンは、この映画の中で一番いいシーンだと思います。

主人公が事故を負わせた男性の母親と病院で会います。
その母親は、主人公にいい事を言います。
そして、主人公も他の誰にも言えなかった事を彼女に言います。
このシーンを見た時、純粋に人間っていいなぁと思ってしまいました。
(他の映画で人間って怖いとか言って、単純です。すぐ影響されてしまいます。)

この映画の主人公、心が広いです。
入院中の父親が何をしても怒りません。
ただ、何年か前、
主人公の息子の誕生パーティーでは父親を怒ってしまいましたが、
怒った後、父親に対して酷い事を言ってしまった自分を
許せずに泣くシーンは、辛いです。
自分の父親ですからね…。
こういう時って、言った時はいいですが、
後から、ジワジワと言った自分に跳ね返ってきますよね。

主人公の父親が子供のように見える時があります。
老人になると、子供のようになるのは本当ですよね。
私の祖母も、子供のようになっていました。
祖母は、今年6月末に亡くなりました。
ある日をさかいに、自分勝手な祖母に付き合いきれなくて、
私は、祖母と会わなくなってしまいました。
今、思うと、もっと会っておけば良かったと後悔しています。
その分、両親に今はしています。

切ないシーンばかりではなく、楽しいシーンもありました。
三姉妹の口喧嘩は、面白かったです。笑いました。
三人ですから、大変です。同時に二人攻撃したりするし。
姉妹の喧嘩って、こうなんですかね。
言いたい事を言い合って、
なんだか、ストレス解消?にもなりそうですね。

最後のキッチンのシーンは、楽しそうに見えるのですが、
どこか悲しく、切ないシーンでした。
何かが足りないという事なんですよね、きっと…。

この映画で、自分と父との関係にも考えさせられました。
「親孝行したい時には、親は無し」と言いますよね。
私は、祖母が亡くなってから、
毎月一回は、土日、
時間で言えば、24時間いるかいないかですが、
実家の福島に帰って、顔を出すようにしています。
そして、両親と、自分の事、仕事の事とか、
いろいろな事を話します。
顔を出すだけでも、両親は喜んでくれています。
皆さん、後悔しないようにして下さいね。